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​地域のフランス語教室で得たもの

 

渡仏した当時、長女は1歳半、その長女が現地の幼稚園に入園するのは1年後。
フランス語が話せない私たち夫婦にとって、一刻も早い最低限の言語習得は必要に迫られたものでした。

 

長女が四六時中いることもあり、最初は自宅に日本人の先生に来ていただいて勉強を始めました。
その後、長女が幼稚園に行くようになって少し時間ができたので、地域の公民館で催されているフランス語講座に通うようになりました。
移民国家のフランス、通っている生徒は年齢も国籍も様々です。
私の通う初級クラスにはウクライナ人、香港人、チェコ人、ブラジル人、ポルトガル人、等国籍は様々、教える側の先生も実はレバノン人でした(レバノンではフランス語が準公用語です)。
拙いフランス語と英語を交えながら行ったノートルダム大聖堂への大人だけの遠足、先生宅で行われた巻き寿司パーティー、どれもこれも伝えたいことが伝わらないもどかしさを思い出させてくれる懐かしい思い出です。
その後の私のフランス語はというと、次女の出産で図太さを増したことにより、正確さは別として発話が増えました。

 

帰国後、自分のフランス語を測るために実用フランス語検定準2級→2級とチャレンジし、合格したことで、少しは身についていたのかなと実感することが出来ました。

 

帰国して数年経った現在の私は、外国人に日本語を教えるための講座を受けています。
その勉強のところどころで、あの時の公民館でのクラスを思い出します。
ただ言葉を教えるだけではなく、それぞれの民族や文化を尊重しあってお互いに学び合うクラスだったと思うのです。

 

海外生活には今後の人生を豊かにする種がたくさん落ちています。その時に気づかない何かも、いつかの自分に意味のあるものになるかもしれません。皆様が素敵な種に出会えますように。

 

相談員 N

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