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南イタリア滞在記 食べるものと食べる事・・・
(イタリア モラ・ディバリにて 2)
私が三年半住んだ プーリア州 モラ ディ バリ は南イタリアの小さな田舎紺碧の海と照りつける太陽の街。
漁港があり船が戻ると市場に活気があふれる。小ぶりのサバ・・・・・グリルかトマト煮込みだろうなぁ。
クロダイ・・・・・・・・・・
これはグリルが美味しい、俗に言う塩焼き+レモン。たらの子(だと思います)・・・これはフリット!
揚げたてに塩をパラパラと振りこれもレモンを必ず。素材が良いので料理法はいたってシンプルだがほんとうに美味しい。
海岸沿いを車で走ると面白い光景に会う。おじさんが何かをバタン、バタンと打ちつけている。結構激しく。
・・・獲れたてのタコを柔らかくしているのだそう。
これを湯がいて オリーブオイル+塩+酢と合わせ刻んだパセリ、セロリ、ニンニクと混ぜる。
美味しい前菜のひとつになる。コッツェ(ムール貝)の養殖も盛んでマンマ達は手際よく殻を外し(片側だけ)生で食べたり、
オリーブオイル+パルミジャーノ+パン粉+パセリを合わせたものを貝の上に載せオーブンで焼く。
バジル、パセリ、セロリは良く使う。味のアクセントになり、これぞ南イタリアだな!とおもう。
ワインはプリモティーボかイル、ファルコーネ どちらも赤が好きだった・・・
週末は夕がた早くからバルコニー近くにテーブルを寄せてゆっくり夕日の落ちるのを眺めた。言葉はいらない時間。
でも極上の物がそこにはあったと心から思う。
お肉料理で思い出すのは・・・ブラッチョーレ・・・牛または馬の薄切り(6,7ミリ)でパセリ+ニンニク
+パルミジャーノ+(家庭によっては挽肉)を巻き、玉ねぎを炒めた後巻いた肉を入れさらに炒めパッサート
(トマト果汁のビン詰め)を入れコトコトと煮込む。
肉は、セコンドとして食べ、旨味が詰まったトマトソースはペンネやオレキエッテに絡めて食べる。
そこには各家庭のマンマの味があり、我が家の味が一番!!とそれぞれに自慢しあう。ほんとうに美味しかった。
日曜の昼時、家族が集まり、時には友人も交え10人20人でひとつのテーブルを囲み、大いに食べ、笑い、議論をし夕方まで過ごす。
たとえデートをしていても昼時には家に寄り、みんなに付き合っている彼、彼女を紹介し、一緒に食事をし、また出かける。
決して一人寂しくテーブルに着く、ということがない。
マンマはみんなの為に料理を作り、美味しく食べているか、元気に食べているか、足りているか見渡し、ニコニコとしている。
やっぱり私の料理が一番でしょう!!という顔だ。
一緒に居るとこちらも笑顔になる。
たとえ言葉は分からなくても気持ちが伝わる。町には珍しい日本人に、この町の良いところを一生懸命に伝えてくれる。
野菜ならあの店、肉はここ、必ずあの場所には行った方が良いとか。
そして最後に困った時にはいつでもいらっしゃい!!と言ってくれた。
あなたが来ることは私の喜びよ!とも。同じ物を食べ時間を共有することが何であるか!
これを教わって日本に戻ったような気持ちがしている。